盛岡さんさ踊りの笛吹きになるまでの道のり

盛岡さんさ踊りの笛練習方法

さんさ好み まなぶです!以前書いたブログ記事のおかげなのか、最近さんさ好みでは新規・ブランク有の笛希望者さんから始め方や練習に関する質問が増えてきました。

ということで今回は、盛岡さんさ踊りの笛吹きになるまでの道のりについて、大雑把ですが僕なりに書いてみたいと思います。

1.篠笛を手に入れる

盛岡さんさ踊り笛三本調子

まず篠笛を手に入れましょう。盛岡さんさ踊りでは基本的に古典調・三本調子・七孔を使います。管頭に「三」と書かれたものが三本調子で、指穴は均一のものが古典調です。

伝統団体によっては四本調子を使うところもありますので、どの笛を使うかその団へ事前に確認したうえで購入してください。

盛岡市内だと、黒澤楽器店さん伊藤楽器さんなどが篠笛を扱っています。

なお、初心者の方が赤塗・黒塗りの笛を最初から使うのは個人的にお勧めしません。なぜなら、音が少し出にくいからです。

これは僕も経験があって、普通の篠笛では音が出せていたのに、赤黒塗りの笛がカッコいいと思って買って吹いてみたら音を出すのが結構難しかったからです。初心者の方はなおさら難しいことが想定されますので、赤塗・黒塗りのものを最初から選ばない方が無難でしょう。

2.笛を教えてくれる団に入会する

盛岡さんさ踊りの笛を独学で覚えようとすることは現実的ではありません。希望する団に入会して、笛を教わりたい旨を伝えましょう。

「教わる」ということは指導者の方の時間を割いてもらって指導してもらう側になります。その方にしっかりとした感謝と礼を尽くす事は忘れないでください。

3.最初は最低限の基礎を教えてもらう

篠笛は音の出し方、姿勢、構え、持ち方が大事になります。特に姿勢は侮れません。息をスムーズに唄口へ送り込むための最適な姿勢と構えがあります。これらの最低限の基礎を最初に教えてもらいましょう。

出来れば、教えてもらった後でも良いのでしっかりとメモを取った方が良いです。人間忘れる生き物ですし、これから身体に慣れないことをするわけです。新しい事を意識しながら練習するわけですから、大事なポイントはメモを取ってよく見返すことで上達が早まります。

4.次はひたすら音出しの練習

最低限の基礎を教えてもらったら、次はひたすら音出しの練習です。これは自分ひとりで出来ますので、コツをつかめるまで吹く!吹く!吹く!これしかありません。この間姿勢には気を付けてください。

最初はメロディを奏でる練習はしなくて大丈夫です。やったとしても気晴らしにする程度ですね。まずは”普通の音”を安定的に出せるようにすることが先になります。ロングトーン単音の練習で良いと思います。

低音(呂音)は割と早く出せるようになると思います。だいたい1週間でしょうか。ところが難しいのが高音(甲音)で、そこそこ安定的に甲音を出せるまでは毎日練習して1カ月はかかります。

前の記事でも書きましたが、多くの人にとってはこの1か月が一番苦しい時になり、ここでほとんどの人が挫折していきます。

盛岡さんさ踊りの笛メロディは大部分が高音(甲音)を使います。ですので、ご自分が笛吹きへ未来の扉を開きたいのであれば、意地でも続けましょう。

5.高音(甲音)が出せるようになったら

高音(甲音)が出せるようになったらしめたもの!ようやく次のステージです。今後は長時間、安定的に高音が出せるように練習を継続します。

この頃には入会した団の笛指導者さんから、指使いを教えてもらってください。指導者さんが吹いている様子を背後からスマートフォンで録画させてもらうと良いです。

できれば、「ゆっくり」のバージョンと、「普通のテンポ」のバージョン2種類があると良いですね。僕も初期の頃は笛指導者さんにお願いして沢山撮らせてもらいました。

そのメロディと装飾音の入れ方の録画をひたすら見返して覚えながら、指使いを練習していきましょう。

練習のステージがここまでくると、既に盛岡さんさ踊りの笛練習は楽しくなってきていると思います。最初の辛い地道な音出し練習に比べたら、メロディを吹ける喜びを味わえるからです。

6.メロディがほぼ吹けるようになった→ステップの練習

盛岡さんさ踊り笛練習方法

盛岡さんさ踊りの笛メロディがほぼ吹けるようになったら、次はステップの練習です。

おそらく殆どの人が「パレードに出てみたい」と希望しているでしょうから、笛を吹きながらステップを行う練習が必要になります。

この練習ステージもそこそこ難関です。今までは身体を動かさずに吹く練習をしていたわけです。しかし、次は身体を動かしながら吹く練習をすることになります。

吹く&ステップを踏む動作を同時に行う必要がありますし、身体を動かすので唄口の当て感が動いてしまうので、安定的に吹くことが難しくなります。

ですが心配しなくて大丈夫です。これもひたすら練習して慣れれば必ずできるようになります。

ステップの動作は指導者の方に教わりましょう。メロディを教わる時と同様、録画させてもらって自宅で自主練習をすることが望ましいです。

7.長時間吹けるようになる練習

メロディが吹けるようになり、ステップも割と自然に出来るようになったら、長時間吹けるようになる練習です。

さんさ踊りのパレードは約25~30分間休みなく連続で吹きっぱなしです。身体に余分な力をかけながら吹いてる状態だと息が続きませんし、酸欠状態で頭がクラクラしがちになります。

この解決方法は、出来るだけ余分な力を抜いた脱力状態で流れるように動き、吹き続ける練習を行うことです。続けることで、唇周辺の筋持久力も強化されますから、高音を安定的に出しやすくなっていきます。

パレードでは熟練の笛吹きさんは1度も・一音もサボらずに(笑)、スタートからゴールまで吹き続ききります。これ、実はすごい事なんですよ。

ここまで出来るようになれば、味わえる達成感も格別なものになるでしょうし、笛吹きとしてのレベルも高くなっていると思います。

笛の毎日の練習場所

さて、笛吹きにとって困るのが「毎日の練習場所」です。高音はかなり響くし大音量のため、夜中に練習しようものなら近所迷惑になるからです。

初心者の方の場合、週1~週2の練習で笛吹きになることは難しいと思います。基本的に最初は数か月間毎日練習をする方が望ましいですね。

ということで、僕が今まで笛吹きさんに「どこで練習してるの?」と聞いた情報を書いておきます。

  • 衣服を敷き詰めたクローゼットの中で練習
  • 車に乗って人気の無い場所に駐車して車内で毎日練習していた
  • 河原の橋の下。水流が常にゴンゴン鳴っている環境だから24時間いつでも吹ける

こんな感じで、笛吹きさん達は吹ける場所を自分なりに探して、毎日少しずつでもしっかり努力している方が多いです。

短時間でも毎日練習を続けること

盛岡さんさ踊りパーレドの中の笛奏者

時間があまり無くても「少しでも練習する、毎日続ける」というスタンスで取り組んでいた方が、笛奏者として成就しているように思います。

余談ですが、僕のヴァイオリンの師匠(現東京フィル首席奏者)がよく「練習なんて5分でもいいんだ!」と言っていました。当時の僕は毎日2時間は練習することが当たり前の生活だったので、「5分程度でいったい何が出来るんだ?」と疑問に思ったものでした。

ですが、子育てが始まり時間が取れなくなって弾かない日が増えるにつれ、師匠の言葉をよく思い出します。「もし5分だけでも毎日練習していたら、今もうちょっとマシに弾けていたんだろうな。活動の幅も広がっていたかもなぁ」と。

笛も同様で、毎日少しずつでも続けることで将来自分の活動の幅を広げる素晴らしい財産になってくれると思います。

これから盛岡さんさ踊りの笛を始める人に、ご参考頂ければ幸いです。

さんさ好みメンバーまなぶ

さんさ好み まなぶ

 
 
【篠笛の参考図書】
イラストで見る篠笛ワークショップ―やさしい篠笛の基礎