私の⼀番古いさんさ踊りの記憶は、幼い頃に⽗が8⽉のパレードに太⿎で出ていて、家族で観に⾏ったこと。その時の父の楽しそうな顔は、私の心に温かい思い出として残っています。
これが、私とさんさ踊りを繋いだルーツです。
さんさ踊りと再会
幼少期に引越しで盛岡を離れ、さんさ踊りに触れることがなくなりましたが、18歳で専門学校に入学した際に盛岡に戻りました。
友達と「一緒にさんさやってみない?」と話になって、さんさ踊りと再会。いくつかの団体にパレードで参加させて頂きました。
その団体に教えに来ていた元ミス太⿎の方が、
「悠(はるか)ちゃん、ミス太鼓に応募してみたら?」
と声をかけてくれました。
その時の私の反応は、「ミス?!無理無理!無理です!」でした(笑)
でもその後しばらくして、「応募するだけなら失うものはないよね」と思って、勇気を出して応募することにしました。
学びと幸せに満ちたさんさ踊り
翌年ミス太⿎に選ばれ、それからは本格的にさんさ踊りが私の人生に欠かせない存在になりました。
ミス太鼓として活動していた頃は、「お客様に魅せるさんさ踊り」を軸として太鼓での美しい踊り方を学んだだけではなく、浴衣姿でのマナーや舞台での振る舞い、仲間との協力やチームワークの大切さを学びました。ミス太鼓での経験は私にとって尊い宝物です。
【JR盛岡駅様からご依頼時の演舞、太鼓で出演】
ミス太⿎を卒業した後、「⼀緒にさんさ好みに⾏こう」と友達が誘ってくれて入団。
さんさ好みに入ったことは、本当に幸運でした。さんさ好みのメンバーは優しく、時には厳しさも交えながら支え合っています。
入団してからは踊りも学び、太鼓と踊りの両方で岩手県内外や海外で沢山の演舞の機会を頂いています。
【トヨタカローラ様ご依頼時の演舞、踊りで出演】
私が踊る時に心がけていることは、「楽しさ」と「笑顔」。
この2つがお客様に連鎖していくと会場全体が一つになったような感覚に包まれて、心が温かくなります。
そして、それぞれの場で出逢うお客様や依頼主の方々から「素晴らしかった!」「踊り方がとても美しかったです!」と褒めて頂いた時は、嬉しさと喜びが溢れて、感謝がいっぱいに広がります。
さんさ踊りが大好きな仲間たちと一緒に活動して、そしてお客様との繋がりを通じて、心豊かな時間を過ごしています!
新たなチャレンジ
【パレード開始前メンバーと撮影】
2019年から8月のパレードで総リーダーを務めさせて頂いています。そのきっかけは突然でした。
最初は代表の千花子さんと太鼓リーダーの岡田さんから「パレードの総リーダーやってみない?」と勧められました。
この時も私のはじめの反応は、「総リーダー?!無理無理!無理です!」と即答しました。
そのあと何度もオファー頂く度に断っていました。パレード練習開始が近づいても新リーダーが決まっていない事に焦りを感じて、二人から「何かあった時は必ずフォローするから、大丈夫!好きにやってみて!」と心強い言葉を頂いて、チャレンジする覚悟を決めることができました。
【2019年8月、盛岡さんさ踊りパレードで】
私は250人以上の参加者を統率した経験がなく、実際にやってみるとなかなか思い描いていた通りに進まないことが多かったです。練習の過程では手探りの状態が続いて、「どうすればもっと良いパレードが出来るようになるんだろう」とよく悩んでいました。
また、さんさ好みのパレードは前年度に賞を取っていたこともあって、プレッシャーを感じて押しつぶされそうでした。
でも先輩たちが私の話を聞いて沢山支えてくれたおかげで、最後までパレードの総リーダーを務めることができました。
【2019年8月、盛岡さんさ踊りパレードで】
パレードの本番当日は、朝起きた時から「よし!最後までみんなを引っ張っていこう!」と気持ちを張っていました。
いざパレードが始まり、リード太鼓を叩くと、徐々に自分の張っていた気持ちが解けていき、さんさ踊りの楽しさが私を包んでくれました。
【2019年8月、盛岡さんさ踊りパレードのゴール後で】
ゴール後に気になっていた表彰では、優秀賞を取ることができました。賞からのプレッシャーも解放されて、先輩達やパレード参加メンバーから「ありがとー!」「頑張ったね!」と言っていただいた時には、安心感と達成感が一気に溢れ出してきて、号泣してしまいました。
メンバーの皆さん、練習準備開始からパレードのゴールまで、沢山のご協力ありがとうございました!
私にとってのさんさ踊り
私にとってのさんさ踊りは、岩手の文化や伝統を大切にすると同時に、新しい出逢いや成長の場、仲間と楽しみながら心と体も健康でいる場です。
私はさんさ踊りを通じてたくさんの人に幸せを届けることができるように、これからも全力で踊り続けたい!さんさ踊りと一緒に、心豊かな時間を創り出していきたいと思っています。
私と関わってくれている皆さん、いつもありがとうございます!
さんさ好み 藤村 悠(ふじむらはるか)